グレンファークラスのあれこれ

ウイスキー

今回は、スコットランドの名門蒸留所、グレンファークラス(Glenfarcas)についてあれこれお話ししましょう。グレンファークラスは、その特徴的なシェリー樽熟成と家族経営の背景から、世界中のウイスキーファンに愛されてきた逸品です。濃厚で芳醇なシェリーの風味がウイスキーに深みと独自の個性を与え、代々受け継がれる家族経営の情熱が品質を支えています。今回は、グレンファークラスがどのようにして魅力的な一本となったのか、その歴史と秘密に迫ってみましょう。皆さん、一緒にグレンファークラスの素晴らしさを探求していきましょう!

グレンファークラスの特徴

グレンファークラスとはゲール語で、【緑の草の生い茂る谷間】という意味があります。生産地域はスコットランドのスペイサイド地方。マッカランやグレンリベットが有名な地域ですね!

熟成樽にオロロソシェリーのシェリー樽のみを使用するこだわりの製法でウイスキーを作っています。

ちなみにウイスキーでよく聞く単語のひとつでもある「シェリー」ですが、これは主にスペインで作られる酒精強化ワインの事を指します。ワインとは違った作り方をしていますが、ブドウを原料にしたワインの一種になります。(日本においてはシェリー酒というカテゴライズになることが多いようです。)

話をもどしますが、グレンファークラスはこのシェリーを作るときに使用されていた樽を使って、ウイスキーの熟成を行っているという事です。

ウイスキーは熟成を行う際に使用される樽で、味わいに大きな変化がでますが、シェリー樽を使用したウイスキーは【ドライフルーツのような香りをもつ芳醇な味わいになる】ものが多く、ウイスキーファンからの人気も高いです。同じスペイサイドのウイスキーであるマッカランもシェリー樽熟成のウイスキーで、シングルモルトの売り上げが世界でもトップスリーに入るほど人気があります。

このグレンファークラスはマッカランほど売り上げはありませんが、愛飲家が世界中にたくさんいるほどウイスキーファンからの人気は高く、有名な人物では、第71代イギリス首相であり鉄の女の異名をもつマーガレット・サッチャー氏が愛飲していたことでも有名です。

グレンファークラスの歴史

グレンファークラスの歴史は古く、公式な創立は1836年ですが1791年の絵画にはもうすでに蒸留所が描かれています。

グレンファークラスは1865年にグラント家が蒸留所を購入して以来、家族経営を続けてきた数少ない家族経営の蒸留所でもあります。その初代はジョン・グラント(John Grant)になります。初代ジョンが家畜の放牧用に購入した土地に蒸留所が含まれていました。

グレンファークラスはスコットランドの蒸留所の中でも、ヴィンテージ・シングルモルト・ウイスキーを最も多く提供している蒸留所でもあります。このヴィンテージを多く供給できているのは、グラント家4代目オーナーにあたるジョージ・S・グラントのおかげといっても過言ではありません。

4代目のジョージは、52年間という長い期間グレンファークラスのオーナーを務めています。また、オーナーに就任した1950年代はブレンデッドウイスキーの急激な重要の高まりを受け、ウイスキー業界が急成長した時期でもありました。しかし、そんなブームも1968年以降に終息してしまいます。ブレンデッドウイスキーの需要を受け、ブレンド用原酒の提供を行っていたグレンファークラスもブーム終息に伴い、大手のブレンデッドメーカーから契約を打ち切られてしまいます。

ジョージはこうした状況を予見しており、ブームの終息前から自社用原酒のストックを増やしていました。また、業界が再編してきた頃、将来を見据え増産を進めています。この時期、ウイスキーの他の生産者たちは大幅な減産を行っていて、ジョージが行った行動はまさに時代に逆行したものでした。ですが、この時に原酒を大量にストックできていたおかげで、今日に至るまでウイスキーを供給できていると言えるでしょう。

先見の明を持った素晴らしいオーナーだったことがよく分かりますね!

グレンファークラスのラインナップ

それでは次にグレンファークラスのラインナップをみていきましょう。

グレンファークラス10年

グレンファークラスがリリースしている年数表記のボトルで一番若いものになります。価格もお手頃なのでウイスキーを飲み始めの初心者の方でも気軽に味わう事ができる一本になります。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

フルーティーで優しい味わいのシェリーのデリケートな甘さと、ドライフルーツのようなフレーバーが心地良く調和したウイスキー。

グレンファークラス12年

こちらは12年シェリー樽で熟成させた一本になります。こちらはラインナップの中でも一番人気があり、お値段も手を出しやすい価格となっているので、グレンファークラスの始めの一本としてオススメです。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

12年シングルモルトの理想形シェリー樽熟成の特徴がよく表れた、リッチでバランスのとれた味わい。

グレンファークラス15年

15年熟成のグレンファークラスになります。15年熟成ともなると熟成感に加え芳醇さもより感じられるようになり、シェリー樽熟成の味わいを楽しむことができます。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

少し高めのアルコール度数にすることにより、シェリー樽熟成ならではの芳醇な甘みを、はっきりと感じることが出来ます。

グレンファークラス17年

こちら日本と北米限定のグレンファークラスになります。15年熟成品よりさらに2年多い17年熟成品でありながら、販売店舗によっては1万円以下で購入できるのがうれしいところです。実はこの17年がグレンファークラス現オーナーであるジョン・グラント氏が最も気に入っている一本だそうです。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

ふんわりと広がるシェリーの甘美な香り。アタックはソフトで、バランスの取れた滑らかな口当たり。とてもリッチなボディ。

グレンファークラス25年

年数表記ありのボトルで最も熟成年数の大きい一本になります。さすがにこのレベルの熟成品になるとお手軽に購入できるとは言い辛いですが、味わいに関しては公式サイトの紹介文章にもあるようにスペイサイドモルトのひとつの到達点とも言える味わいに仕上がっています。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

円みを帯びた芳醇な香り。とても滑らかなシルキーな口当たり。濃厚なダークチョコレートとビターな深煎り珈琲を合わせたような、濃厚で複雑な味わい。いつまでも続く長い余韻。リッチで重厚な味わい。

グレンファークラス105

商品名にもある【105】とは英国式アルコール表示の事で105に0.571を掛けた数字が度数になります。なので105×0.571=59.955となるのでアルコール度数が約60%となります。実はこのグレンファークラス105ですが、業界初のカスクストレングスウイスキーとしてリリースされたものになります。

カスクストレングスとはボトリングの際に加水を行わず樽出しのアルコール度数のこと。

この高い度数による味わいは多くのウイスキーファンを魅了し、上記にも記述したイギリス元首相のマーガレット・サッチャー氏が愛飲した銘柄としても有名です。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

驚くほどパワフルな味わい、驚くほどスムーズな喉越し。グレンファークラスが持つ味わいの全ての要素が、この1本に凝縮されています。

ラインナップ番外編

上で紹介した物の他にも数量限定品や日本限定品のグレンファークラスも多数存在します。

いくつか紹介するので、もしBarなどで見かけたら飲み比べてみることをオススメします!

グレンファークラス12年カスクストレングス

こちらは日本限定品になります。グレンファークラス12年をカスクストレングスにてボトリングした1本になります。

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

グレンファークラス12年が持つ印象的な清涼感と、とてもパワフルなボディが特徴。オランジェットのような満足感のあるリッチなフレーバー。飲みごたえと長い余韻はカスクストレングスならでは。

グレンファークラス21年カスクストレングス

こちらも日本限定品で、グレンファークラス21年をカスクストレングスにてボトリングしたものになります。グレンファークラス21年自体、現在終売になってしまっているので見かけることが少なくなってきています。その21年のカスクストレングスなので、Barなどでもめったに見ることはないので、もし見つけたら要チェックですね!

〜テイスティングノート(グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用)〜

グレンファークラス21年の精緻な味わいを、より高い凝縮感で楽しめます。ドライフルーツのような濃厚な甘みと、カカオや焙煎珈琲のようなビターさとのバランスが絶妙。オロロソ・シェリー由来のエレガントで濃厚なコクが余韻まで続きます。

グレンファークラス 30年/40年 レッド・ドア

パッケージに蒸留所のシンボルとして代々受け継がれている、熟成庫の扉(通称:レッド・ドア)をモチーフにし、数量限定で販売されたグレンファークラスになります。熟成年数は2種類存在し、その年数は脅威の30年と40年。。。

4代目オーナーのジョージが、時代に逆らい蓄え続けた原酒あってこそできたこのウイスキー。人生で一度は味わってみたい。そんな風に感じさせてしまう魅力を感じます。

グレンファークラス30年 レッド・ドア

<カラー>
非常にリッチなダーク・ゴールド
<アロマ>
シェリーの風味が豊かなモルトと、フルーツが混然となった複雑な香り
<フレーヴァー>
シェリー、コニャック、ブランデー、フルーツ、ナッツ、マジパン、糖衣。非常に濃厚なクリスマスプディングが、グラスの中で広がります。
<フィニッシュ>
ずっと続く優雅で長い余韻。焦がしたチョコレートの味わいが後から追いかけてきます。

グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用

グレンファークラス40年 レッド・ドア

<カラー>
収穫を待つ麦のような黄金色
<アロマ>
フレッシュで力強く、挽きたてのジャワ珈琲を想わせる甘くフルーティーな香り
<フレーヴァー>
ダークチョコレート、レーズン、サルタナを伴った、力強いシェリーの風味。リッチで濃厚な上品な甘味。
<フィニッシュ>
いつまでも続く甘やかな長い余韻。

グレンファークラス | ミリオン商事 (milliontd.co.jp)より引用

グレンファークラス ファミリーカスク

グレンファークラスが所有するウイスキー樽の中から、厳選したシングルカスクをボトリング。家族経営だからこそできる、ウイスキーの中でも珍しいシリーズになります。現在は1954年~2006年までのヴィンテージを取り揃えています。

またファミリーカスクシリーズはシングルカスクですので、それぞれ味わいが異なります。複数種、飲み比べて自分好みの味を探すのも楽しみ方のひとつですね!

シングルカスクとは1本の樽から出したままの原酒のこと。

グレンファークラスのオススメ

あくまで個人的にですが、これからグレンファークラスを飲んでみたい人やプレゼントしたい人に向けたオススメを紹介します。

まず初めてグレンファークラスを飲む人にオススメしたいのが、グレンファークラス105です!

これは本当に美味しいです!!

カスクストレングスならではのアタック感に加え、シェリーの甘さが心地よく響き、高いアルコール度数を感じさせないので、初めてのカスクストレングスとしてもオススメできる1本です!

またミニボトル(200ml)や10年12年とセットになった商品もありますので比較的購入しやすいのもオススメポイントのひとつです。

『でもアルコール度数が高くて心配』と思う方もいると思います。なのでもう1本おすすめを紹介します。

2本目のオススメはグレンファークラス15年です!

正直に言うと15年か17年でめちゃくちゃ悩みました。。。

ただ17年の方が最近あまり見かけなくなっているので、手に入りやすい15年の方をオススメさせていただきます。

味わい的にもグレンファークラスらしさを感じられ、「グレンファークラスってこんな感じの味なんだ」と理解できる味だと思います。

12年じゃダメなの?と言われるかもしれませんが、個人的には少しお金をだして15年を買った方が満足できると思います!

このオススメに挙げた2本は、初めてのグレンファークラスにはもちろんのこと、プレゼント用としても喜ばれると思いますので何を買うか迷っている人に強くオススメします!!

まとめ

この記事を書いていて改めて、グレンファークラスは非常に種類が多いウイスキーだなと感じました。(この記事に掲載している種類だけで11種類!!)限定品や終売品を全部含めると相当数になります。

「種類が多いウイスキーはどれを買えばいいか分からない」といった話をよく聞きます。実際、僕も選択肢が多いとめちゃくちゃ悩みます(笑)

僕は悩んだら、まずは誰かのオススメを飲んでみるのが一番だと思います。そこから他の味はどうなんだろう?と興味を持てば他のも飲んでみたり。グレンファークラスは種類が多いので他の味は?の部分が他のウイスキーよりも多く楽しめる種類だと思います。

多種多様な味わいを楽しめるグレンファークラス。今夜の一杯の候補に挙げてみてはどうでしょうか?

それではこれにて〆とさせていただきます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

※画像は全て商品リンクになっております。

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